学費無料

ドイツの大学は、なぜ学費無料?

ドイツの大学は学費が無料?

短く回答すると、ドイツの大学は学費は掛かりません。無料です。 ドイツの大学は、学費が掛からないのですが、もう少し詳細にご説明する必要があります。また、もちろん学費が無料といっても、生活費(家賃、食費など)まではカバーされないので、それは自分で負担する必要があります。生活費に関する詳細はこちらの記事をご覧ください。

なぜドイツの大学は学費が無料?

ドイツでは、学業が無料で提供されることについて、大きな歴史があります。この元となるのが、個人の背景・経済力に関係なく、すべての人類が、教育を受ける権利を与えられるべきである、という考え方です。

50年の間で、何度か学費・授業料導入の話題が持ち上がったこともあります。ドイツの一部の州では2004年から、授業料(半年7万円程度)を導入することを試みました。しかし、2年間の内に、国内各地で大々的に学生抗議が起こり、すべての州が元の学費無料に戻しました。

一般的なルールは、最初の学位は無料となっています。この、最初の学位というのは、広く受け入れられており、入学の条件に職歴を必要としないものすべてです。そのため、多くの大学院のプログラムも学費無料で提供されています。逆に、MBAは学費が掛かります(3つのMBAプログラムを除く)。

セカンドディグリー(大学を卒業した後に、また大学に通う)をされる場合、大学側は学費を取ることが許されていますが、これは、ドイツ国内でのセカンドディグリーの場合ですので、つまり日本で一度卒業して、ドイツでもう1回大学に通う場合のセカンドディグリーは含まれません。
実際には、2回ともドイツのディグリーだったとしても、ほとんどの大学は学費を要求しません。

ほとんどの大学が学費無料ですが、例外もあります:

例外: 私立大学

ドイツのほとんどの大学は公立大学です。しかし、いくつかの専門的な私立大学も存在します。私立大学は、通常学費が掛かります。その金額は大学によっても異なり、月々500~2000€ ほどです。

私たちのお客様の90%以上は公立大学で学ばれており、ほとんどの場合、わざわざ私立を選ぶ理由がありません。

例外: Baden-Wurtemberg州にある大学

Baden-Wurtemberg州は、公立大学でも、留学生に対して学費がかかる州です。その費用は、全ての公立大学で一律、半年1500€です。これは他の国と比べると、格段に安いです。

Baden-Wurtemberg州は、いくつかの優良大学がある場所でもあり、私たちの経験では、この州は学費がかかることから、学費無料の他の州に比べて、競争率が若干低いこともあります。したがって、 Baden-Wurtemberg州を学費だけが理由で候補から外してしまうのは、あまりお勧めしません。日本でかかる学費と比べたら、半分にも満たない金額です。

例外: Post-experience Master

通常の大学院のプログラムは学費無料ですが、特化したpost-experience Masterプログラムは、学費が掛かります。Post-experience Masterプログラムは、入学するためには職務経験(働いた経験)が求められる、プロフェッショナル向けのプログラムです。もっとも一般的な例は、MBAです。パートタイムで授業に通う場合も、Post-experience Masterプログラムと捉えられます。

私からコメントですが、特に、ご自身が高校生くらいで、これを読まれて、内容がイマイチ分からないと思われている場合は、Post-experience Masterプログラムは、まだ先の話(大学卒業して就職した後の話)ですので、心配しなくて大丈夫です。

英語で授業する大学は学費が無料ではない?

よくこのご質問を受けますが、そんなことはないです。授業を行う言語によって、大学の学費が有料か無料かが決まるわけではありません。英語で授業をする大学、プログラムでもほとんどが学費無料です(実際に多くのお客様が学費を全く払わず英語で現在も学ばれています)。ただ、上記の例外のように、英語ドイツ語関係なく、学費がかかってしまう例はあります。

セメスターフィー (Semester Fee, Semesterbeitrag)

ここまで内容で、ほとんどの大学で学費が無料なことが分かっていただけたかと思いますが、学費は掛からなくても、セメスターフィー”Semesterbeitrag”というものがすべての大学で掛かります。
金額は大学によって異なり、半年50€~350€ (半年7千円~4万円)くらいです。
インターネット上では、このセメスターフィーを”少額の学費”や、それに近い表現がされていますが、これは学費とは全く異なります。一度ドイツに留学されると、その違いや、内容がはっきりわかると思いますが、私はセメスターフィーを支払えることは、喜ばしいことだと思います。その理由について、これから詳しくご説明します。

セメスターフィーが学費ではない理由

大学に払うセメスターフィーがあるなら、”学費無料”というのは間違っていませんか?この疑問に答えるためには、もう少し踏み込んでみる必要があります。法律によって、このセメスターフィーを、教育に必要な費用をカバーするために使用することは許されていません。

これをより理解するために、WWU Munsterを例として説明します。WWU Munsterはドイツ国内で、最もセメスターフィーが高い大学の1つです。2023年時点で、半年316.98€のセメスターフィーとなっています。WWU Munsterのセメスターフィーの詳細は、webサイトからご覧いただけます。

目的金額
Studierendenwerk Munster (学生サポートサービス)99.11€
学生付帯保険0.23€
大学スポーツ1.40€
学生連合11.75€
大学ラジオ局0.30€
文化的イベント参加の定期券3.40€
交通乗車 定期券200.79€
セメスターフィーの総額316.98€
semester fee内訳 (WWU Munster 2023年)

3つのセメスターフィーの主な使われ方

交通機関の定期券
セメスターフィーの大部分を占めるのが、Semester ticketと言われる、州内全域の交通機関の乗車定期券です。もし自分で同じ定期券を、大学を通さずに購入しようとすると、半年最大1657€くらい掛かってしまいます(ドイツは国内全土の交通乗車券を新しく導入する予定なので、将来的には変わります)。

Studierendenwerk (学生サポートサービス)
Studierendenwerkは、2つ目に大きく占める要素ですが、これは手頃な学生寮、カフェテリア(食堂・学食)、学生のカウンセリングサービスに貢献します。したがって、この費用は、安く学食が食べられることに直結します。例えば、このWWU Munsterの食堂では、定食が2.85€から提供されています。

学生連合
3つめに大きく占める要素は、Tasks for Student Bodyと言われる、学生連合の費用で、その大学の学生の選挙で当選した学生”委員会”が、学生たちをサポートするために使われるお金となり、イベントが開催されたり、例えば、自転車修理サービスを無料で提供したり、学生のために使われます。
学生連合の仕組みは、日本にはないですが、ドイツのとても興味深い側面で、詳細はこちらの記事でご説明しています。

セメスターフィーと、そこで得られるサービスを自分で探すことを考えた場合、セメスターフィーで支払った金額以上に得られることが多いのは明らかです。したがって、セメスターフィーの金額によって、志望校を決めるのは違いますし、ここまで読んでいただけた方には、どうして、セメスターフィーは喜ばしいことなのか分かっていただけたかと思います。

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