ドイツ健康保険

ドイツの健康保険制度 留学生編

ドイツの健康保険制度

ドイツでは健康保険に入ることが定められており、留学生においても例外ではありません。ドイツで滞在許可申請(Visaのようなもの)をする時に、きちんと健康保険に入っていることが求められ、更に大学側から確認を受ける場合もあります。

最適な健康保険を選ぶことは簡単ではなく、一般的に留学生だと、公的保険と民間保険の間で選ぶことができます。他にも重要なポイントは、ドイツに正規留学をしに来ているのか、語学学校の学生なのか、交換留学生なのか、それとも他の種類の短期滞在なのかというポイントです。

ドイツの公的保険

いくつかの公的保険から選ぶことが可能ですが、それぞれの違いはあまり大きくありません。補償される範囲や、保険料については政府が規制しています。公的保険の方が民間保険よりも安い印象を持たれがちですが、そういったことはないです。理由としては、公的保険では、病歴に関係なく、要件を満たした全ての人を補償するからです。そのため、たとえ高額な慢性疾患を抱えている留学生であっても、全ての公的保険は、これらにかかる費用を全て補償します。その他の利点は、公立病院でかかった費用は、保険会社が直接病院に支払いをしてくれます。全ての支払い手続きは、病院と保険会社の間でやり取りされます。

補償範囲

公的保険はほとんど全てが補償の対象になり、ワクチン接種、歯の治療、予防措置も含まれ、処方箋も90%がカバーされます。これはドイツに限らず、ヨーロッパ内で補償されます。全体として、公的保険には1つ欠点があります。それは公立の病院でしか有効ではない点です。医療の質は私立病院と比べてほとんど変わりませんが、主な違いは予約のしやすさです。特に急ぎでない検査や治療であれば、予約が数か月後になる可能性もあります。

ドイツ留学生が公的保険に入る条件

ドイツ大学のフルタイムの正規留学生であり、年齢が30歳未満であることです。既に述べた通り、過去の病歴は関係ありません。上記の条件を満たしている場合、私たちは公的保険に入られることを強くお勧めします。

公的保険の保険料

公的保険の金額は政府により規定されていて、個人の収入をベースに計算されます。学生の場合、個人で収入がない方も多いので、その場合は政府が公式に学生の生活費としている金額(月934€)を基準に計算されます。ドイツ留学で実際にかかる費用については生活費に関する記事をご覧ください。実際の学生用公的保険は月110€程度で、もし、月520€を超える収入があれば、保険料は収入額をもとに計算され、給料から自動的に差し引かれます。

公的保険の場合、私たちとしてお勧めしているのは、TK健康保険です。経験上、対応やサポートもしっかりしています。

ドイツの民間保険

公的保険に対して、補償範囲や価格面において柔軟性が高いです。しかし、民間保険であっても、法律によって、補償範囲が最低限の基準を満たしている必要があると決められています。最も安価な民間保険は公的保険よりも安く、最も高価なものは公的保険の2倍以上します。

保険に加入する条件としては、病歴が基準となり、もし慢性疾患がある場合は、加入を拒否されるか、特定の病気を除外しての加入となります。一度加入すると、保険会社側は契約をキャンセルすることはできません。

30歳以上の方は公的保険には入れないので、民間保険を選ぶことになりす。その他の場合でも、民間保険であれば、provisitがお勧めできます。

健康保険の比較

それぞれの保険について、メリット・デメリットや価格について、より分かりやすくなるよう表にまとめました。民間保険は種類がたくさんあるため、公的保険との比較がしやすいように主な特徴を示しています。比較のしやすさを重視したため、細やかな例外の記載は避けています。

公的保険 (TK) 民間保険 (Barmenia)
外来&入院治療 100% 無制限100% 無制限
処方箋90% 無制限100% 無制限
スクリーニング&検診100% 無制限100% 無制限
心理療法100% 無制限75% 無制限
歯科治療100% 無制限500€までは100%、それ以上は50%
医師の選択可能、公立のみ可能、公立及び私立
補償範囲ヨーロッパヨーロッパ + 世界(30日間まで)
支払い直接的間接的
控除不可年間300€
保険料月108,81€月88,86€
留学生向け健康保険の比較表

どちらの保険も保障範囲が広いですが、違いは詳細部分に出てきます。

主な公的保険のメリットは直接保険会社が病院に支払ってくれる点であり、あなたは患者として、この支払い手続きに関与しなくて済みます。対して民間保険は、間接的な支払いとなるため、患者であるあなたが請求書を医療機関から受け取り、それを保険会社に送ることになります。

主な民間保険のメリットは、医師を自由に選択できる点です。これは、より優秀な医師に診てもらえるという結果に必ず結びつく訳ではないですが、予約は早く取れます。価格の面では、民間も公的も同じくらいで、民間であれば、保険を使わなかった場合の控除により費用を節約できる可能性もありますが、保険を使った場合は少し高くつこともあります。

特別なケースの保険加入:正規の留学生でない場合

ここでいう正規の留学生でないというのは、交換留学生、語学学校の学生、研究員を指します。これらに該当する方は2つの意味で特別と言えます。1つ目は公的保険に入れないこと、2つ目は、保険の法律(§146 VAG iVm §195 Abs. 3 VVG)が適用されず、とても安価な旅行保険に加入可能である点です。

この場合、私たちとしては、Dr. Walterが提供しているEducare24保険をお勧めします。

結論

フルタイムの正規留学生で30歳未満であれば、公的保険をお勧めします。明確に公的保険の方が勝るとは言い切れませんが、私たちの経験からして、保険会社が直接病院に支払いをしてくれる点は、留学生にとっては大きなメリットです。30歳以上の方は、民間保険のみの選択肢となります。

注意:ドイツの健康保険を探していると、とても安価なものを見つけられるのですが、これらがドイツの法律上の”Vollversicherung”(§146 VAG iVm §195 Abs. 3 VVG)であるか、きちんと確認した方が良いです。Vollversicherungの保険のみが、必要な保障範囲を満たしています。

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