ドイツ大学留学にかかる費用
ドイツ大学留学にはどれくらい費用がかかる?(2025年版)
これはおそらく、お客様から最も聞かれた質問です。なので、論理的なデータ、実際の例をご提供しようと考えました。どこの国でも共通するように、実際の費用は、個人の出費傾向や住む地域によって大きく左右されます。ドイツ大学留学では、殆どの場合、学費が無料ですので、留学費として掛かるのは、生活費になります。まずは生活費の実例を見ていき、最後に、留学前に準備するべき初期費用の金額についてまとめます。
ドイツ政府は学生の生活費を月992ユーロ程度と見積もっています。この金額は、毎年、物価指数などに基づいて計算し直されます。住む地域の物価・家賃だったり、消費傾向によって、992€で充分な場合もありますが、足りない場合もあります。
ここでは、異なるカテゴリーごとに費用を算出・分析しており、あなた個人の傾向に合わせて、費用が計算しやすいようにしています。仮定として、ニュルンベルクにあるFriedrich Alexander Universityに通うとします。この大学や、位置する地域はドイツの中でも平均的であることに加え、留学生の間でも人気のある留学先だからです。
学生の家賃
家賃は、生活費の中でも一番金額が高い要素となるでしょう。街によっては、生活費の50%以上を占めることもあります。ドイツの学生には、一般的に3つの選択肢があり、大学の寮、フラットシェア(ルームシェアのようなもの)、一人暮らしです。これらの住み方については住まいに関する記事で詳しく説明しています。家賃は特に幅が広い項目です。
金額の幅:月250~600€(40,000~96,000円)
例:ニュルンベルクの中心に位置する歴史的な建物で、20平米の自分の部屋、バスルームとキッチンは他の学生と共用の場合、家賃は月286€です。この寮の詳細はこちら
学生の食料品・日用品にかかる費用
スーパーマーケットは日本よりもドイツの方が安く、レストランは同じくらいです。ここでは大学の食堂を毎日利用したと仮定し、スーパーでの出費と組み合わせて、費用を計算しています。食料品に加えて、少しの薬局での買い物も考慮しました。
金額の幅:月250~350€(40,000~56,000円)
例:実際に食料品の値段が知りたいという場合は、ドイツで多用されるオンラインスーパーのmytime.deをご参照いただくと、イメージが湧くと思います。Friedrich Alexander Universityの食堂のメニューは2.50€から4.00€程度となっています。直近のメニューはこちら。Stud.が学生の料金です。
留学生の保険料
ドイツは保険大国であり、どんな出来事に対しても保険に入ることができます。一方で、留学生に関係がある保険は2つで、健康保険(加入必須)と賠償責任保険(加入必須ではないが強くお勧め)です。健康保険については、学生には2つの選択肢があり、公的保険か民間保険です。これらの違いやメリット・デメリットについては健康保険に関する記事にまとめました。
金額の幅:月100~120€(16,000~19,000円)
例:公的保険108.81€(公的保険は全てこれくらい)、賠償責任保険4€(賠償責任はとても安いです)
ドイツ大学にかかる費用
大学でかかる費用は主に2つ、管理費と追加の費用です。管理費は、大学に支払う諸費用で、学生証の発行や交通乗車券の発行などに使われたりします。追加の費用というのは、教材やテキストの費用ですが、実はテキストは買う必要はなく、大学図書館で借りられます。
金額の幅:月30~60€(4,500~9,000円)
例:Friedrich Alexander Universityの場合、管理費は半年で127€であり、1か月にすると21€ほどです。
交通機関利用にかかる費用
ほとんどの大学では、交通機関利用にかかる費用は、大学に支払う管理費に含まれているか、費用の大半が管理費でカバーされています。
金額の幅:月0~40€(0~6,000円)
例:Friedrich Alexander Universityの場合、制限付きのベーシックな乗車券が管理費でカバーされています。一方、学生によってはこれでは不十分なこともあるので、州内での乗車無制限(35€で月100分の自転車レンタルできる権利も含む)にアップグレードしたと仮定して、費用を計算しています。
追加の費用
これまでの費用項目は、最低限必要なもので、学生生活を過ごす中では、イベントに参加したり、新しい服を購入したり、ドイツ国内やヨーロッパを旅するといった、追加の資金がほしいところです。更に、今までの費用の中には、日本からの渡航費が含まれていないので、ここでは追加の費用として、100€を計上しておきます。実際には、この金額は0近くに抑えることも、無限に増やすこともできます。
ドイツ留学にかかる費用まとめ
家賃:250 – 600€
食料・日用品:250 – 350€
保険料:100 – 120€
大学:30 – 60€
交通機関:0 – 50€
追加の費用:100€
合計:730€ – 1280€ (117,000~206,000円)
今回の計算では、合計が15万円程になりましたが、余裕をもった予算を立てることをお勧めします。予測が難しくなり得るのが家賃で、家賃は250€から(これより低い場合もある)となっていますが、こういった寮に入れることは保証されていません。政府が基準としている992€は、良い参考例であり、どちらにせよ閉鎖口座にて必要になります。
ドイツ留学に必要な初期費用
留学中に掛かる費用は分かったけれど、「そもそも最初に、初期費用としていくらあれば、ドイツ留学ができるのか?」よくご質問いただきます。通常250万円ほどあれば、ドイツ大学留学が始められます。主に最初の1年間の生活費と、留学初期に掛かる諸費用をまとめた金額です。2年目以降の生活費は、アルバイトで賄われる方もいらっしゃいますので、生活費1年分のみを初期費用に入れて計算しています。
日本からドイツへの渡航費
まず、ドイツに渡航する必要があるので、日本からの航空チケットを購入する必要があります。この費用は、日本のどこから、ドイツのどこへ渡航するかによって大きく異なります。成田空港のすぐ近くに家があり、フランクフルトへの直行便で、フランクフルトの大学に留学する場合は、飛行機1本の航空券のみですが、直行便が無い場合は、まず地方の空港から大きい空港に飛ぶことになりますし、そもそも最初の空港に行くためにも、バスや電車を乗り継いで行く場合、その運賃も加算されていきます。
もう1つ重要なのは、航空券を予約する時期です。航空券は、出発直前に購入しようとすると、高価になる傾向があります。また、シーズンによっても上下します。ゴールデンウィークや、お盆休み、お正月の航空チケットが、通常時に比べて桁違いに高くなるのは身近でご存知かと思いますが、シーズンはもちろん、渡航日が1日前後するだけでも、数千円変わることもあります。
そのため、なかなか予測が難しいですが、お客様の例を見ていますと、通常5万円〜15万円くらいの金額で、日本からドイツへ渡航されています。これは、航空会社のこだわり(絶対にJALを使いたい等)や、ビジネスクラスへのアップグレード等が無い前提での金額です。
住まいの敷金(保証金)
法律上、住まいのデポジット(敷金/保証金)は、公共費を除く家賃の最大3か月分までに制限されています。これは法的に許される上限額ですが、多くの大家はこの最大額を請求せず、一般的には家賃2か月分という場合や、固定金額で500ユーロ(約85,000円)程度を求めることが多いです。
学生寮では、固定金額を敷金として求めることが多く、通常のアパートなどの大家さんは、家賃2ヶ月分とする傾向があります。シェアハウスの場合は、物件(ハウス)全体の敷金を入居者全員で分担することもありますが、これは契約内容や状況によって異なります。
敷金は、部屋を良好な状態で退去すれば返金されますので、損するものではないのですが、ドイツに引っ越す際に最初に必要となる金額として考慮しておく必要があります。
閉鎖口座
閉鎖口座は、資金証明の手段です。ドイツで滞在許可証(ビザのようなもの)を取得するためには、ドイツ滞在中に資金に困らないことを証明する必要があり、その方法が、閉鎖口座に預金をしておくことです。口座に11,904€ (滞在期間12か月x 992€)を預金します。992€は、この記事の冒頭で出てきた、ドイツ政府が計算する、学生が使う月々の生活費です。
閉鎖口座の預金は毎月992€ずつ解放され、ご自身の通常の銀行口座に移され、自由に使えるようになります。滞在許可証は1年間有効なので、更新のタイミングで、また次の1年分の金額を閉鎖口座に預金します。これにより、次の1年も生活費に困らないことを証明します。もしくはアルバイトを始めていて、その収入で毎月の生活費を賄える場合、新たに閉鎖口座に預金する必要がなかったりします。3年滞在予定の場合でも、3年分の生活費をいっきに口座に預金する必要はありません。1年ごとに資金を証明、もしくは収入があることを証明します。
ドイツの初期費用まとめ
渡航費:50,000-150,000円
住まいの敷金:400-600€ (85,000円)
閉鎖口座の預金:11,904€ (200万円)
これらを合計すると、220万円くらいで済むと考えられるかもしれませんが、実際には、細々とした費用が留学初期には掛かってしまうのも事実です。そのため、カツカツで考えられるのではなく、250万円くらいは最低でも検討いただければと思います。
他の国に比べ、ドイツはそこまで生活費が高くないことや、他国の場合は、これに加えて百万円を超えるような学費が上積みになります。それを考えると、いかにドイツが経済的な留学先であるか、理解いただけると思います。教育レベルの高さや、治安の良さも相まって、とても良い留学先なので、ぜひご検討ください!