ドイツ語ができないのに、ドイツの大学に留学しても大丈夫?

これは最もされる質問です。今回は、ドイツ大学留学で、ドイツ語ができなくても問題がないことを、理由とともに解説します!また、ドイツ語ができた方が良いタイミングについてもご紹介します。

ドイツに英語で学べる大学はある?

「英語で学べる学部があるか?」ではなく、「英語で学べない学部は何か?」と問うべきでしょう。

過去10年間で、ドイツの大学の学部は、英語で提供されるように劇的にシフトしてきていて、毎年約100の新しい英語の学部・プログラムが追加されています。10年前であれば英語で取得できる学位を見つけるのは困難でしたが、今日では考えられるほぼすべての分野を英語で選択できるようになっています。

2026年8月現在、ドイツ高等教育案内(Higher Education Compass)には、ドイツ全土で2,541の英語学位プログラムが掲載されています。この急速な英語で学べる選択肢の拡大こそが、ドイツが世界で最も急速に人気を集める留学先となっている理由です。(この傾向の詳細については、こちらをご覧ください: リセマム記事)。

英語で学べるプログラムの数があまりにも膨大であるため、実際には「英語で学べないもの」を確認する方がはるかに簡単です。さらに、ドイツの公立大学では、授業の言語(ドイツ語か英語か)に関わらず、ほとんどのプログラムで授業料が無料です。(いくつかの例外について: ドイツの大学なのに学費無料の例外は?)。

英語で学べない分野(学士課程 / バチェラーレベル)

英語で開講されるプログラム数が毎年増加し、英語対応していない専攻分野が減少しているものの、学部(学士)レベルでは依然として厳格にドイツ語でのみ教授される特定の分野が存在します。

  • 医学関連の学位: 公立大学の医学部(学士相当)プログラムは、すべてドイツ語で授業が行われます。これらの学位は標準的な学士・修士体系ではなく、ドイツ語で実施される国家試験(Staatsexamen)で修了します。また、臨床実習ではドイツ語を話す患者との直接的なコミュニケーションが求められます。これは、薬学や獣医学などの関連医療分野も同様のことが言えます。
  • 法学の学位: 標準的な法学プログラムも同様に、ドイツ語で実施される国家試験(Staatsexamen)へとつながります。ドイツの法律自体がドイツ語で制定されているため、これは極めて合理的な仕組みです。英語で提供される国際法の専門プログラムも一部存在しますが、それらはドイツ国内で弁護士資格(国家資格)を取得するための要件を満たしません。
  • 教職の学位: 小中高校などの公立学校での教育はドイツ語で行われるため、教員資格の取得には母語レベルまたはそれに近いドイツ語能力が必要です。英語で履修できる一般的な教育科学(Educational Science)の学位は存在しますが、それらでは公立学校の教員免許は取得できません。
  • 政治学: 標準的な政治学の学士コースではドイツ語の語学力が求められることが多くあります。しかし、政治分野に関心がある場合は、学士・修士の両レベルで英語プログラムが豊富に用意されている国際関係学(International Relations)などの関連分野を選択できます。

もう一つの選択肢: もしどうしてもドイツ語でのみ提供されている分野を目指したい場合、ドイツの大学が提供している1年間の集中ドイツ語準備コースを活用するという方法があります。全くの初心者を中~上級レベルの語学力まで引き上げるよう設計されており、最終的にDSH試験Deutsche Sprachprüfung für den Hochschulzugang / 大学入学のためのドイツ語語学試験)の合格を目指します。これに合格すれば、すべてのドイツ語開講プログラムへの入学資格が得られます。ドイツ語コースの仕組みについての詳細はこちら: DSH準備コースとは?

英語で学べる修士課程(マスターレベル)

学部(学士)レベルには言語上の制約がいくつか存在しますが、修士課程では制限がほとんどありません。修士レベルでは、法学や医療関連の専門コースを含め、ほぼすべての領域で英語開講の選択肢が存在します。

ドイツ人は英語を話せる?ドイツ人の英語力は高い?

今までの説明で、ドイツ語が全くできなくても学業面での選択肢に問題がないとお分かりいただけたと思います。ただ、次に浮かぶ疑問は「ドイツ語を話せなくてもドイツでの日常生活を送れるのか?」ということでしょう。

40歳以下の人々の多くは英語が流暢なため、日常のコミュニケーションで困ることはほとんどありません。大都市圏の方が英語が話せる率は高いものの、地方や小都市であっても日常会話レベルの英語は広く通じます。

ドイツにおける高い英語力は、客観的なデータによっても裏付けられています。

  • 高いテストベンチマーク: ドイツのIELTS平均スコアは7.4であり、シンガポールなどの英語力が高い国と同水準です。(国全体の英語教育の強固な基盤を示しています)。
  • 世界的なEF English Proficiency Index (EPI)ランキング: 123の国・地域の成人220万人以上を対象とした調査「EF英語能力指数(EPI)」において、ドイツは一貫して世界トップクラスにランクインしており、英語が公用語である一部の国よりも高いスコアを記録しています。
EF English Proficiency Index 2025

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自分より、周りのドイツ人の英語力が高くて面食らった

これは実際に、私たちがサポートしたお客様の言葉です。私たちに相談を寄せられる日本人の学生でも、ドイツ人の英語力や、英語が通じるか、心配されている方・されていた方がもちろんいらっしゃいました。しかし、往々にしてドイツに行かれた方は「英語が通じず困ったことはなく、ドイツ人の英語力と比べて、自分の英語力が至らなかった」と、後から振り返られています。

ドイツに行くならドイツ語を学ぶべき?

基礎語学力を身につけることで、現地のコミュニティと繋がり、文化的な理解を深められるほか、留学中および卒業後の就職の選択肢が広がります。何より嬉しいのは、ほぼすべてのドイツの大学が、留学生向けに無料または格安のドイツ語講座を提供しています。

そのため、渡航前にドイツ語を修得しておくことは必須ではありませんが、現地到着後に少なくとも基礎的な日常会話レベル(A1〜A2)を学ぶことは強くお勧めします。

ドイツで仕事を探すにはドイツ語が必要?

専門分野や居住する地域によって異なります。ITやテクノロジー業界などでは、ドイツ語力を求めずに採用を行う多国籍企業やスタートアップが多数存在します。また、ベルリンやミュンヘンといった大都市は、地方の小都市と比較して、英語のみで働きたい求職者にとって特に恵まれた環境です。

しかし、学生向けのアルバイト(Werkstudent)や卒業後の正規雇用を含め、より広範な労働市場においては、ドイツ語が話せないと選択肢が限られてしまうのが実情です。求人にドイツ語要件が明記されていない場合でも、日常会話程度のドイツ語力があるだけで、他の応募者に対するアドバンテージとなります。

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