ドイツ大学・大学院の奨学金

ドイツは、他の国とは異なり、公立の大学の学費は無料となっており(一部例外あり)、既に全学生に対して奨学金を出しているようなものなので、ここから更に奨学金を大学から得られる学生の割合は低いです。実際、学生全体の5%以下が奨学金を得ることができています。

以下の項目では、留学生でも取得可能な、一般的な奨学金2つをご紹介します。これらの他にも、多くの奨学金がありますが、通常、特定の基準を満たす場合のみに限定されてしまいます。その他、ほとんどのドイツの政党が、基金による奨学金を提供しているので、留学生としても選択肢になり得ます。

Deutschlandstipendium

28000人の学生をサポートする、ドイツ最大の奨学金は“Deutschlandstipendium”と呼ばれます。これに選ばれた学生は、月々300€、最低でも1年間(2学期分)受け取れ、多くの場合は在学中、受け取り続けることができます。

この奨学金の、特別な部分は、50%(150€)は政府、残りの50%は企業法人が負担するところです。多くの場合、スポンサー企業は資金支援に加えて、人と繋がるイベントや、相談会など、他の支援もしてくれます。詳しくは公式ページをご覧ください。“Deutschlandstipendium.de

今日から、ドイツ大学留学に一歩踏み出そう! 🇩🇪

学費無料で、世界クラスの教育を、英語で。
1回の無料相談で、ドイツ留学がご自身に合っているか、どのようなものか、クリアにできます。ドイツ留学を成し遂げた先輩方も、皆さんここからスタートされました!次は、あなたの番です!

無料相談を予約

DAAD奨学金

DAAD奨学金は1つではなく、DAAD (ドイツ学術交流会) は、学生や研究者の国際交流に対する、世界最大の資金支援団体です。ドイツで最大ではなく、世界最大です。支援・資金援助団体として、DAADは多額の奨学金を提供しています。

最も主流なDAADの奨学金はMaster(修士/大学院)奨学金であり、他国からドイツの修士プログラムに参加する学生を特別に対象としたものです。奨学金は、ドイツでの修士期間(最大2年)を全てカバーすることができます。

他の奨学金とは異なり、生活費など、ドイツでの費用を全てカバーするもので、滞在許可(Visaのようなもの)を取得する際の、資金証明としても使えます(閉鎖口座は開設不要)。奨学金の給付額は、閉鎖口座に必要な金額(2022~23年現在、月931€)です。これに加えて、保険の資金支援も受けられ、日本からのフライト往復費用や、追加の資金支援など希望に沿って支援を受けられます。詳しくは、DAADが書いている記事をご覧ください。

DAADは主に大学院(修士や博士)の学生にフォーカスしていて、大学(学士/Bachelor)プログラムは、通常支援していません。DAADの資金援助のオプションに関する詳細は、DAADの奨学金概要ページをご覧ください。

DAAD 奨学金 倍率

DAAD奨学金の倍率は、色々な側面に左右されます。国籍やどの奨学金プログラムに応募するかにもよります。一方で、他国に比べ、日本の学生の応募数は比較的少ないため、一般的に、倍率は全体平均と比べると低い傾向があります。

説得力のある応募をおこなうことができれば、ドイツ留学の資金を充分狙うことができます。一方で、奨学金が取得できる前提で、留学のプランを全て進めないことをお勧めします。

DAAD自身は、倍率や合格率について公表していませんが、国ごとのページがあり、特定の国の学生で奨学金を受けた方が掲載されています。

DAAD公式の国分析(日本について)はこちら:

https://static.daad.de/media/daad_de/pdfs_nicht_barrierefrei/der-daad/zahlen-fakten/daad-laenderstatistik_311.pdf

bafögとは?

BAföGは「Bundesausbildungsförderungsgesetz(連邦教育支援法)」の略称で、生徒や学生を支援するためのドイツの法律です。60万人以上(全学生の約15~20%)が、このBAföG制度に基づく経済的支援を受けています。

2025年現在、受給できる金額は月額992ユーロ、年間で11,904ユーロです。この金額は、ドイツでの留学に必要な生活費として算定されており、閉鎖口座に入金して証明する際の金額とも一致します。つまり、学生が生活に必要とする費用をまかなうための基準額として設定されています。閉鎖口座とは何か、ドイツで生活するために必要な費用を具体的に見られたい場合、こちらの記事をご参照ください。

Bafögの仕組み

BAföGは部分的な奨学金制度であり、支給額の50%は返済不要の奨学金として与えられ、残りの50%は教育課程終了後5年後から返済を開始する必要があります。条件を満たせば自動的に支援を受けられる仕組みで、選考プロセスはありません。

返済すべき金額には利息がつかず、3か月ごとに390ユーロ(1か月あたり約130ユーロ)の分割払いで返済します。さらに、仕事をしていない場合や低収入の場合には、返済を一時的に中断し、経済状況が改善した際に再開することができます。

このほかにも、特定の状況に応じた多くの例外や特別な規定が存在しており、詳細はBAföGの公式ウェブサイトで確認することができます:
https://www.xn--bafg-7qa.de/bafoeg/de/das-bafoeg-alle-infos-auf-einen-blick/das-bafoeg-alle-infos-auf-einen-blick_node.html (ドイツ語)

どのようにBafögを取得する?

BAföGは学生生活を支えるための非常に優れた制度ですが、残念ながら日本を含め、EU圏外からの学生にとっては利用が難しいのが現状です。

Bafög の条件 (日本国籍の場合):

BAföGを受けるには、ドイツとの強い結びつきが必要です。この強い結びつきは、複数の方法で示すことができますが、ドイツに住んだ経験がなく、留学生としてドイツに来る場合は対象外となります。法的な規定はBAföG法の第8条(§ 8 BAföG)に記載されています。(リンクはこちら: https://www.gesetze-im-internet.de/baf_g/__8.html)

BAföGを受給するために充分とみなされる例として、ドイツでの永住許可を持っている(ドイツに居住している)、自分自身がドイツで5年以上働いた経験がある、ドイツ人と結婚している、またはドイツ国籍の子どもの親である場合などがあります。さらに、両親のどちらかが過去6年間のうち3年以上ドイツで働いていた場合も対象になります。

これらの条件を満たした場合、ご自身とご両親の経済状況を開示する必要があります。BAföGの支給額は、収入面だけでなく、兄弟姉妹の人数やその他の社会的要素も考慮されます。例えば一人っ子で、世帯の月収が30万円以下の場合、最大額に近い支給を受けられる可能性があります。

大学に付属するStudierendenwerk(学生支援機関)では、ご自身の状況に応じた相談や、具体的な支給額の試算についてのサポートも受けられます。

ドイツの奨学金の探し方

残念ながら、いくつかの資金援助オプション、例えばBAföGやStudienstiftung des Deutschen Volkesは、ヨーロッパの通常の滞在許可がない、留学生は対象ではありません。

ご自身の状況にあった奨学金を探せる情報源は、DAADの奨学金データベースです。DAADは奨学金を自ら提供するだけでなく、データベースでは、全ての種類の異なる奨学金を載せています。DAADの奨学金データベースを見るのも良い方法です。

目次