HochschuleとUniversität
HochschuleとUniversitätは、日本ではどちらも「大学」に該当し、どちらも日本の4年制大学と同じ卒業資格(学士/Bachelor)が取得できます。そして大学院に通った場合は、どちらでも修士/Masterを取得できます。博士号はUniversitätのみで取得可能です。ボローニャ・プロセス(ヨーロッパの高等教育機関を比較しやすくした)の結果、HochschuleとUniversitätは、正式に同じレベルの高等教育機関(大学)と定められました。
ただし、Hochschule(省略形:FH)とUniversität(省略形:Uni)は、教育方法やアプローチが異なるため、その違いを後から詳細に説明します。
ドイツのHochschule、Fachhochschule とは?
英語では、University of Applied Scienceと言われ、ドイツ語ではhochschuleもしくはFachhochschulen (FHs)と呼ばれる大学で、Uniとは違う面が多くあります。まず、FHは実践にフォーカスした教育で、専攻もより特定されています。在学中に半年間のインターンシップが必須なことが多く、それもカリキュラムの一部となっています。学士の期間も3.5年間と長めで、4年間である場合もあります。その他のUniとの違いとしては、自由度が低い点で、ルールが決められており、通常、授業への出席が必須であったり、1クラスの人数が少なく、学生個人にフォーカスしています。在学中のアルバイトも可能ですが、少し授業との両立が難しい場合もあります。
学部によっては、FHでは学べないものもあり、医学部、薬学部、法学部、社会科学部などがそうです。
実践にフォーカスしているため、論理や研究には欠いている部分もあり、世界大学ランキングでは論文の引用数などを評価するので、FHは上位にランクインできません。だからと言って、FHは良くないと考えるのは間違いで、多くの有名企業が、即戦力となる重点的な教育を受けた応用科学大学の学生を、高く評価しています。
応用科学大学、専門大学とは?
これらは全てFHのことを指します。FHを日本語に訳す時に、応用科学大学、専門大学、専門科学大学などと表記されるため、何か違いがあるように見えますが、違いはありません。また、「科学大学」といっても、ビジネスなども学べますので、理系専門の大学という訳ではないです。
ドイツのUni、Universitätとは?
Uniは研究機関であり、教育方法は論理的なアプローチをします。卒業論文を公表したり、出版物に名前を出すことも珍しくはありません。大学の学士は3年間で、修士は2年間です。授業科目の選択は、とても柔軟で、どの順番で履修するか自由が利きます。一般的に、必修科目についてはある程度まで学ぶ必要がありますが、それ以外は、自身が興味がある分野を深められ、それに沿う科目選択が可能です。授業への出席は、多くの場合必要とされません。この柔軟性の高さから、学生自身の自律が必要となり、学生自身がどれだけ頑張るかが、結果として反映されます。多くの学生がアルバイトをしており、場合によっては、休学してアルバイトにフルタイムで入る人もいます。学費が無料で、どの学期にどの教科を履修するという決まりがないので、自分のペースで休学も自由にできます。
ドイツの工科大学、TUとは?
Uni/Universitätの中の細かい区分で、工科大学TUは名前の通り、Uniの中でも技術面にフォーカスした大学で、工学やITにおいて高い定評があります。特にTU9はドイツで最も強い9つの工科大学のことを指します。
工科大学について難しいのが、Uniの区分の工科大学TUなのか、FHの区分の工科大学THなのか判断することです。例えば、Karlsruhe Institute of TechnologyはTUで、英語名では“Institute of Technology”となっています。“Institute of Technology”という表現は法律上で定められていないため、FHの中の区分のTH(Technische Hochschule)でも同じ表現を使うため、TUとの見分けがしにくいです。
THはTUよりも、応用科学分野にフォーカスしています。TUかTHかを判断する、私たちがおススメする方法は、大学のドイツ語名を見ることです。
今日から、ドイツ大学留学に一歩踏み出そう! 🇩🇪
学費無料で、世界クラスの教育を、英語で。
1回の無料相談で、ドイツ留学がご自身に合っているか、どのようなものか、クリアにできます。ドイツ留学を成し遂げた先輩方も、皆さんここからスタートされました!次は、あなたの番です!
ドイツの大学制度
日本と比べて、複雑なように思えます。そのためよく、UniとFH、どちらが良いですかという質問を受けます。これは本当に学生によって異なります。大学Uniは自発的で、自分でモチベーションを保てる人に向き、応用科学大学FHはより指導がしっかりしています。私たちの経験から、応用科学大学であれば実践的なので、学士取得後の就職に向く一方、大学Uniの学生は修士まで進むことが比較的多いです。ちなみに、大学でも応用科学大学でも途中からもう一方に編入することが可能です。GoGermanyでは、どの種類の大学があなたに合うのか、ご自身と一緒に考え、出願先を決めていくことができます。
大学Uni | 応用科学大学FH | |
---|---|---|
フォーカス | 論理的&研究志向 | 実践的 |
教育のプロセス | 柔軟性が高い、選択科目が多い | 厳しい、選択科目は少ない |
クラスの人数 | 多く、個人的ではない | 少なく、個人向け |
出席 | 選択可能であることが多い | ほとんど必須 |
期間 | 3年間(180単位) | 3.5~4年(210~240単位) |
HochschuleとUniversitätが存在することは、日本の大学と、ドイツの大学の違いのほんの一部に過ぎません。他にどのような点で、日本とドイツの大学は異なっているのか、詳細はこちらの記事をご参照ください。
目次